こんにちは、桂颯です。
私は今年、71歳になりました。
体力には多少の衰えを感じるものの、
心の中はいつもワクワク、ドキドキ。
好奇心は旺盛です。
絵のアイデアは次から次へと浮かび、
AIや新しいアプリを覚えることも、
面白くて仕方がありません。
この点では、
若い人にも少しも負けていないつもりです。
けれども、私は、
そうなろうと努力してきたわけではありません。
ただ、ずっと絵を描き続けてきただけです。
描きたいものがあり、
表したい思いがあり、
それを夢中になって描いてきただけなのです。
けれども今振り返ってみると、
その創作の時間が、
私の頭と心を動かし続けて
くれたのではないかと思うのです。
実際、絵を描いているとき、
私は自分の頭と心が
生き生きと働いていることを強く感じます。
目の前のものをよく見る。
形や色を考える。
まだ形になっていないものを思い描く。
試行錯誤しながら、
自分の手で少しずつ形にしていく。
絵を描くことは、
作品を生み出すだけではありません。
長く創作を続けてきたことが、
私自身の頭と心を活性化し、
好奇心や意欲を保つことにも
つながっているのではないか。
今、私はそう実感しています。
もしかしたら、絵を描くことと認知機能の間には、
実際に何らかの関係があるのではないだろうか?
気になって、研究を調べてみました。

(芸術活動をしていた人は、MCIのリスクが低かった)

annayozmanによるPixabayからの画像
2015年、アメリカの医学誌『Neurology』に、
芸術活動と認知機能との関係を
調べた研究が発表されました。
対象となったのは、
調査開始時には認知機能に問題のなかった
85歳以上の男女256人です。
平均年齢は約87歳でした。
およそ4年間の追跡調査の結果、
121人が軽度認知障害になりました。
軽度認知障害(MCI)とは、
記憶力や判断力などに低下がみられるものの、
日常生活はおおむね自立して送ることができ、
認知症とは診断されない状態です。
MCIになった人が、
すべて認知症になるわけではありません。
この研究では、
中年期から高齢期にかけて
芸術活動をしていた人は、
していなかった人よりも、
MCIになるリスクが統計上73%低かったと
報告されています。
米国神経学会の公式発表によると、
ここでいう芸術活動には、
絵画、デッサン、彫刻などが
含まれていました。
(パソコン活動にも、好ましい関連があった)

Gerd AltmannによるPixabayからの画像
同じ研究では、
高齢期にパソコンを使っていた人も、
MCIになるリスクが53%低かったと
報告されています。
パソコン活動には、
インターネットでの検索、パソコンゲーム、
オンラインでの買い物などが
含まれていました。
この結果も、
私にはとても興味深いものでした。
私は今、絵を描くだけでなく、
AIや新しいアプリをいろいろ
使いこなしているからです。
わからないことを調べ、新しい操作を覚え、
試行錯誤しながら、
できることを少しずつ増やしていく。
それは、絵を描くこととは少し違う形で、
やはり頭を活発に働かせる時間になっています。
ただし、この研究は、
芸術活動とパソコン活動の
どちらが優れているのかを、
直接比較したものではありません。
また、現在のAI利用について
調べた研究でもありません。
それでも、芸術活動とパソコン活動の両方に、
認知機能との好ましい関連がみられたことは、
とても励みになる結果でした。
絵手紙は、頭と心を一緒に動かす

絵手紙を一枚描くとき、
私たちは、思っている以上に
いろいろなことをしています。
目の前のものをよく見る。
形や色を考える。
どのように描くか工夫する。
筆を動かす。
短い言葉を探す。
届けたい人の顔を思い浮かべる。
見る、感じる、考える、描く、言葉を選ぶ。
絵手紙には、
頭と心を一緒に動かす要素が、
たくさん含まれています。
私自身、絵を描いているときには、
頭の中が活発に動いていることを感じます。
どう描けば、
自分の思いを表せるだろう。
この色の上に、
どの色を重ねよう。
もう少し花を
大きくした方がいいだろうか。
背景には、
どんな色が似合うだろう。
思い描き、試して、失敗し、また考える。
その繰り返しが面白くて、
私は夢中になってしまいます。
楽しみながら続けることが、いちばん

私は、認知症を予防するために
絵を描いてきたわけではありません。
描きたいものがあり、
表したい思いがあり、
ただ夢中になって描いてきました。
楽しいから続けられる。
続けるから、
また新しいものに出会える。
新しいものに出会うから、
さらに好奇心が湧いてくる。
その積み重ねが、
結果として頭と心を健やかに保つことに
つながっているのなら、
こんなにうれしいことはありません。
「認知症予防のために、
絵を描かなければならない」
そう考えると、
絵を描くことまで義務になってしまいます。
けれども、
きれいな花を見つけたから描いてみたい。
大切な人に、
絵手紙を送りたい。
心の中に浮かんだものを、
形にしてみたい。
そんな気持ちで、
十分なのではないでしょうか。
絵を描けば、
必ず認知症を防げるとはいえません。
けれども、
何かに心を動かし、
よく見て、考え、自分の手で形にする。
そんな創作の時間は、
年齢を重ねた私たちの頭と心にとって、
きっとよいものなのだと思います。
71歳になった今も、
私の中には描きたいものがたくさんあります。
これからも新しいことにワクワクしながら、
私は絵を描き続けていきます。

