こんにちは。
さわやか顔彩教室の桂颯です。
今回は、
「上手な絵よりも、
感動を大切に!」
というテーマで
お話ししたいと思います。
絵を描くとき、
「もっと上手になりたい!」
「技術を高めたい!」
と思うのは自然なことです。
私自身も、
上達な絵を描きたくて、
先生に習ったり、
独学で本を読んだり、
美術館を巡ったりと、
さまざまな努力をしてきました。
でもその一方で、
いつも心のどこかにあるのは、
「本当に大切なのは、
技術よりも
強い感動ではないか」
という思いです。
人の感動や心情には、
不思議な力があります。
特に、
描き手の心にある
強い感動は、
気(生命エネルギー)となって、
絵に宿り、
見る人の心を
動かすのではないかと。
私は
そんなエネルギーの
こもった絵にこそ、
深い魅力があると
感じているのです。
絵を描こうと思ったきっかけ――子どもの絵との出会い

50代の終わりごろ、
私はある地方の美術展を
訪れました。
プロの作品や
一般の応募作の中に、
小学生の絵が
飾られていました。
その中で、
私を最も魅了したのは、
なんと、馬のお尻だけが
大きく描かれた、
小学生の絵だったのです。
顔も脚も描かれていない!?
でも、その子が
「わあ、すごい!」
と感じた驚きと喜びが、
ストレートに私の心に
響いてきたのです。
他に展示されていた、
どんな上手な絵よりもです。
私はその絵の前に
立ち止まり、
動けなくなりました。
そして思いました。
「私も、こんなふうに
素直に人を感動させる絵を
描きたい!」と。
「いや、描けるかもしれない!」
と
孫の絵に癒される!


今、わが家には
小学1年生の孫がいます。
その子が描いた絵を
見るたびに、
私は自然と顔がほころびます。
決して
「上手な絵」ではありません。
けれど、
素直なこころで、
感じたままを表現した絵は、
私の心をいつもほっこり
癒してくれるのです。
子どもの絵には、
私たち大人が
描こうとしても
絶対に描けない
無邪気さと純粋さが
あるのです。
それは、
私たち大人が、
遠い昔に無くしてしまった
宝物かもしれません。
年齢を重ねた人ならではの深みのある絵

一方で、
年齢を重ねた私たちが
描く絵には、
子どもの絵とはまた違う、
その人ならではの深みが
宿るように感じます。
長い人生の中で
育まれてきた心情、
幾つもの試練を
乗り越えた末に
たどり着いた
喜びや安らぎ、
そして家族への
深い愛情。
積み重ねてきた想いの層が、
自然と絵ににじみ出る
のではないでしょうか。
いえ、
私自身が、
そんな「今の私にしか描けない絵」を
描いてみたいと
願っているのです。
でも、
そこには何より
心を揺さぶる感動が
必要だと思うのです。
たとえば、
美しい花に見惚れたとき。
可憐な小鳥のさえずりに
耳を澄ませたとき。
雄大な自然を
目の前にしたとき。
一般的に、
人は、年齢とともに、
物事に感動しなくなると
言われています。
しかし、
絵を描く人であるならば、
年を取れば取るほど、
あらゆるものに感動する
豊かな感受性を
持ち続けていたいものです。
そうした感動を大切に、
心のままに描くことができたら、
私たちの人生は、
豊かに輝き出すような気がします。
顔彩アートは、想いをかたちにしやすい絵画

顔彩アートは、
絵画の中でも
手軽に始められる表現方法です。
でも、
だからといって、
すぐに感動をそのまま
表現できるわけではありません。
筆の扱いを習得し、
顔彩の色に慣れ、
模写を重ね、
ある程度の技術の習得は
必要なのです。
なぜなら、
私たち大人は、
子どものように無邪気なままの、
拙い絵に満足できないからです。
しかし、
練習を重ねていくうちに、
自分なりに
納得のいく形で描きたい、
感動をきちんと表現したい
という気持ちが
自然と湧いてきます。
そして
何枚も何枚も描いていくうちに、
少しずつ自分らしい表現が
見えてくるのだと
思います。
顔彩アートは
技術のハードルが比較的低く、
練習が重ねやすいのが魅力です。
準備も片付けも手軽で、
短時間でも一枚の作品が完成する。
だからこそ、
たくさん描くことができ、
自分の感性を育てていけるのです。
一枚ずつ、
心をこめて描いていくうちに、
感動を形にできる絵が、
きっと少しずつ育っていく。
顔彩アートは、
そんなふうに、
誰にでも開かれた表現の道なのだと、
私は思っています。
顔彩アートについて
詳しく知りたい方は、
こちらの記事もあわせてどうぞ。↓
まとめ:想いを大切に、あなたらしい一枚を

絵を描くうえで、
上手さや技術を追い求めることは
自然なことです。
でも、
それだけでは描けない
心に響く一枚があることも、
私は経験を通して
感じてきました。
子どもの絵に心癒され、
大人の絵に
人生の重みを感じるように、
絵には、
その人の想いや感性が
映し出されるのだと思います。
そして、
顔彩アートは、
そうした心のかたちを表現するのに、
始めやすい絵画だと思います。
はじめの一歩は、
誰でも不安かもしれません。
でも、
何度も描いていくうちに、
少しずつ、
自分だけの表現が見えてきます。
大切なのは、
「描いてみたい」
という気持ちを大事にすること。
上手でなくてもいい。
感動したこと、
心に残った風景、
誰かへの想い――
それを、
あなたらしい形で
こつこつ描き続けていってください。
きっとその絵は、
あなたの心を映す鏡のようになって、
見る人の心にも
届く絵に育っていくはずです。