なんと今朝、
庭に彼岸花が咲いているのを
見つけました!!
何年か前に苗を植えた覚えはあるのですが、
これまで一度も
花を見せてくれませんでした。
もう枯れてしまったものと思い、
すっかり諦めていたのです。
それが、今朝ふと見ると、
鮮やかな赤い花が
すっと立ち上がっているではありませんか!
朝露をまとった姿があまりにきれいで、
思わず写真に撮りました。
そこで今回は、
この庭に咲いた彼岸花を、
顔彩で絵手紙に描くことにしました。
彼岸花は、
一見すると複雑で難しそうです。
でも、花のつくりを知り、
手順を分けて考えると、
形を捉えやすくなります。
この記事では、
手前の花を鉤勒法(こうろくほう)でくっきりと、
奥の花を没骨法(もっこつほう)でやわらかく描きます。
二つの描き方を組み合わせて、
華やかさと奥行きのある彼岸花に
仕上げていきましょう。

彼岸花の花は、どうなっているの?
彼岸花は、
細い花びらと長いしべが入り組んでいるため、
どこから描けばよいのか迷いやすい花です。
まず知っておきたいのは、
私たちが一つの大きな花だと思って見ているものが、
実は複数の小さな花の集まりだということです。
一本の花茎の先に、
通常は5〜7輪ほどの花が放射状につきます。
そして、一輪ずつをよく見ると、
基本のつくりは次のようになっています。
- 花びらのように見える花被片(かひへん)が6枚
- 花の外へ長く伸びる雄しべが6本
- 雄しべより少し長い雌しべが1本
彼岸花は花びらとがく片の色や形が
よく似ていて、見分けにくいため、
まとめて「花被片」と呼びます。
この6枚の花被片は、ふちが波打ち、
先端がくるりと反り返るのが特徴です。
複雑な形を全部いっぺんに追いかけず、
一輪につき「花被片6枚・雄しべ6本・雌しべ1本」
を目印にすると、ぐっと描きやすくなります。

図解作成:桂颯(ChatGPTを活用し、植物資料をもとに構成)
今回の描き方のポイント
今回は、すべての花を
同じ強さで描きません。
手前の二輪:輪郭線を描いてから中を彩色する鉤勒法
奥の花:輪郭線を描かず、一筆で花びらを表す没骨法
手前の花を濃くはっきりと描き、
奥の花を淡くやわらかく描くことで、
花の重なりと奥行きが生まれます。
この「前はくっきり、後ろはふんわり」という描き分けが、
今回の作品のいちばん大切なところです。
使用した画材と道具について
画仙紙のはがき
吉祥の顔彩24色セット
面相筆、削用筆または彩色筆
2B鉛筆、練り消しゴム
今回使用している顔彩や筆、
画仙紙などの画材と道具は、
こちらのページで詳しくご紹介しています。
初めて画材をそろえる方は、
描き始める前にぜひ参考になさってください。
彼岸花の描き方
1.鉛筆で薄く当たりをつける

顔彩で描き始める前に、
鉛筆で花の位置と大きさの当たりを、
ごく薄くつけておきます。
彼岸花は花びらが重なり合うので、
最初から細部まで描き込む必要はありません。
花の中心の位置と、
花全体が収まる大きさが分かる程度で十分です。
鉛筆の線は画面では見えにくいため、
動画をご覧になる場合は、
このあとの筆の動きと花びらの形を参考にしてください。
2.紅で花の輪郭線を描く

まず、花の中心から、
6枚の花被片の軸になる線を一本ずつ、
ふんわりと引いていきます。
軸を目安に、
一枚ずつ花びらの輪郭を描きます。
線をまっすぐ引くのではなく、
筆先をやさしく揺らしながら進めます。
先端はいったん外へ伸ばしてから、
花の中心へ戻るように、
くるりと反らせましょう。
この波打つ線と、先端の反り返りが、
彼岸花らしく見せるポイントです。
二輪目の花も同じように、
中心から6本の軸を引き、
花びらを描いていきます。
3.明るいオレンジ色で下塗りする

明るいオレンジ色を薄く溶いて筆に取り、
左側の花全体に、ふんわりと色をのせます。
最初から濃く塗らず、
紙の白さが少し感じられるくらいにしておくと、
あとから色を重ねても重たくなりません。
右側の花も同じように彩色します。
左右をまったく同じ色にせず、
右側は少し薄く塗ると
花に表情が生まれます。
次は、没骨法で奥の花を描きます。
没骨法では輪郭線を先に描かず、
筆に含ませた色で、
一筆に一枚の花びらを表します。
筆をやさしく揺らしながら運び、
先端に向かって細くして、
最後はくるりと巻き込むように描きます。
7.花のすき間と下に茎を描く
4.花の中心から赤をぼかす

左側の花の中心から外へ向かって、
花びらの途中まで紅を入れます。
続いて、水だけを含ませた筆で、
色の境目から花びらの先へ向かって、
やさしくぼかしていきます。
中心を濃く、外側を明るく残すことで、
花びらの重なりが見えやすくなります。
5、茎を描く

濃い緑色(黒+鶯茶録+青草)で、
花から下へ伸びる茎を描きます。
花と花のすき間からのぞく茎も、
少し描き加えておきましょう。
8.長いしべを一本ずつ描く
6、長いしべを描く

最後に、彼岸花の大きな特徴である、
長いしべを描きます。
筆先をできるだけ細く整え、
まず、しべの先にちょんと点を置きます。
そこから花の中心へ向かって、
ゆるやかなカーブを描くように、
一本ずつ線を引いていきます。
一輪には雄しべが6本、雌しべが1本ありますが、
絵手紙では少なめに描きます。
花の中心から放射状に、
長さやカーブを少しずつ変えて描くと、
軽やかな動きが出ます。
場所によっては、外から中心に向かって
しべを描いてもかまいません。
9.言葉を添え、印を押す

絵が乾いたら、余白に言葉を添えます。
今回の彼岸花は、
何年も姿を見せなかったのに、
ある朝突然、美しく咲いてくれました。
その驚きとうれしさから、
こんな言葉が生まれました。
咲く日は 花が決める
最後に印を押したら、
彼岸花の絵手紙の完成です。
鉤勒法と没骨法を組み合わせる楽しさ
彼岸花は複雑な花ですが、
すべてを細い輪郭線だけで描こうとすると、
線が多くなり、
少し窮屈な印象になることがあります。
そこで今回は、
手前の花だけを鉤勒法でしっかりと描き、
奥の花は没骨法で淡く表しました。
二つの技法を組み合わせることで、
描く手間を少し減らしながら、
花の華やかさと奥行きを出すことができます。
細かい部分を全部描かなくても、
見せたい花だけを丁寧に描けばよいのです。
難しそうに見える花ほど、
どこをくっきり描き、
どこを省くかを考えると、
案外描きやすくなるのかもしれません。
庭で思いがけず咲いてくれた一輪から、
また一つ、新しい描き方を
教えてもらいました。
ぜひ皆さんも、反り返る花びらと、
風に揺れるような長いしべを楽しみながら、
彼岸花の絵手紙を描いてみてくださいね。
動画で筆の動きをご覧いただけます
花びらの線の揺らし方や、
没骨法で一筆に描く様子、
細いしべを描く筆使いは、
動画で見るとさらに分かりやすくなります。
▼彼岸花の絵手紙の描き方動画はこちら
YouTube動画:https://youtu.be/YE5G8buBBOg
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