こんにちは、桂颯です。
今回は、初心者の方にも形を取りやすい、
桔梗の絵手紙の描き方をご紹介します。
桔梗は、星のような形をした、
一見シンプルなお花です。
ところが、
実際に描いてみると、
花びらの向きや大きさが
なかなか決まりません。
私も、下絵を描かない没骨法で
何度も練習しましたが、
どうしても形がうまく取れませんでした。
没骨法には、
筆の高い技が求められるんですね。
そこで、無理に下絵なしで描くことをやめ、
鉛筆で丸と点を描いて、
花の形を取ることにしました。
形だけは鉛筆に助けてもらい、
着彩では外側の輪郭線を描かない
没骨法のように描く
すると、初心者にも描きやすく、
没骨法のような柔らかい桔梗になりました。

YouTubeで桔梗の描き方をご覧いただけます
実際の筆の動きや、色の重ね方は、
YouTube動画で詳しくご紹介しています。
丸と5つの点から、
少しずつ桔梗の形が生まれていく様子を、
ぜひ動画でご覧ください。
YouTube動画:https://youtu.be/-MDhUQvsMwY
桔梗は、簡単そうで形を取るのが難しい花

桔梗の花は、正面から見ると
五角形の星のように見えます。
しかし、
五枚の花びらが完全に分かれているのではなく、
根元でつながり、
全体が浅い釣鐘のような形をしています。
花びらの先端は鋭く尖り、
中心から外側へ向かって、
濃い紫色の筋が伸びています。
下絵なしで描こうとすると、
花びらの間隔がずれたり、
花の中心が片寄ったりして、
桔梗らしい形になりにくいのです。
形を整えようとすればするほど、
今度は花が硬くなってしまいます。
初心者にも描きやすい「半分没骨法」
没骨法とは、
輪郭線を描かず、
墨や色を使って直接形を表す描き方です。
今回の方法では、
花の形だけは鉛筆で薄く描き、
その線を目安に色を置いていきます。
私は、この描き方を説明しやすいように
「半分没骨法」と呼んでいます。
正式な技法名ではありません。
鉛筆で輪郭を描いても、
着彩のときにその線をなぞらなければ、
外側に強い輪郭線は出ません。
花びらの色そのものが輪郭になるため、
柔らかく、優しい雰囲気に仕上がります。
完全な没骨法が難しい方にも、
気軽に試していただける方法です。
桔梗らしく見せる三つの特徴
1.先端が尖った五つの花びら

花の中心から五方向へ、
花びらが星のように広がっています。
先端を丸くせず、
少し尖らせることが、
桔梗らしく見せる大切なポイントです。
2.風船のようにふくらんだ蕾

桔梗の英名は
「Balloon flower(バルーン・フラワー)」です。
その名のとおり、
蕾は空気を含んだ風船のように、
ふっくらとふくらんでいます。
蕾に五本の筋を入れると、
桔梗らしい形がよくわかります。
3.開花とともに変化するしべ
桔梗のしべは、
花が咲いてから少しずつ姿を変えます。
最初は、
五本の雄しべが
中央の花柱を包んでいます。
雄しべが役目を終えた後、
雌しべの先端が五つに開き、
白い星のような姿になります。
今回の絵手紙では、
この雌しべが五つに開いた段階を描きました。

図:桂颯(ChatGPTを使って作成)
丸と5つの点を使った桔梗の描き方
1.鉛筆で丸と点を描く
最初に、
描きたい花の大きさに合わせて、
鉛筆で薄く丸を描きます。

お花の大きさに合わせて、
私は、スプレーのキャップを使いましたが、
皆さんは、適当な大きなの道具を使って、
丸を描いてくださいね。
フリーハンドでも大丈夫ですよ。
次に、花の中心に一つ、
花びらの先端になる円周上の五か所に
点を打ちます

この点を目安にして、
花びらの先端から、
隣の花びらとの境目へ向かう曲線を描きます。

鉛筆の線が濃いと
着彩後にも残ってしまうため、
見えるか見えないかくらいの薄さで描きます。
2.輪郭線をなぞらず、花びらに色を置く

紫、紅梅を絵皿で混色して、
赤紫を作ります。
この赤紫を薄めに削用筆に取り、
鉛筆の線を目安にしながら、
右、左と二筆で色を入れていきます。
これは、没骨法の描き方ですね。
普通、没骨法は、
いきなり筆で色を入れていきますが、
なかなか思うように、描けません。
そこで、今回は、鉛筆で先に目印をつけておいたんですよ。
大切なのは、
鉛筆の輪郭を筆でなぞらないことです。
筆先と筆の腹を使い、
花びらの形を作るように色を入れます。
3.紫色の濃淡と筋を入れる
色を入れたときに、たまりができたら、
できるだけ、中央に寄せます。
中心には濃い紫を置き、
明るいところは淡い色を残します。
色が乾いたら、
中心から花びらの先へ向かって、
細い紫色の筋を入れます。

線の長さや濃さをそろえすぎないことが、
自然に見せるポイントです。
4.風船のような蕾を描く
蕾は、風船のように
ふくらみのある形に描きます。

その上から濃い紫で筋を描き、
下に緑色の萼を添えます。
5.葉は下絵なしの没骨法で描く

葉っぱには鉛筆の下絵を描かず、
完全な没骨法で描きました。
手前に見せたい葉は濃く、
奥の葉は水を多くして淡く描きます。
濃い葉と淡い葉を重ねることで、
画面に自然な遠近感が生まれます。
すべての葉を同じ濃さで描かず、
ところどころに余白を残すことも大切です。
6.胡粉でしべを描く

花の色が乾いたら、
面相筆と胡粉を使い、
中央にしべを描きます。
今回は、
雌しべの先端が五つに開いた形にしました。
小さな部分ですが、
白いしべが入ると紫色が引き立ち、
桔梗らしさがぐっと増します。
輪郭線を生かした鉤勒法の桔梗もあります
桔梗の形を、
よりはっきりと描きたい方には、
鉤勒法(こうろくほう)という描き方もあります。
鉤勒法とは、
最初に墨などで輪郭線を描き、
その内側へ色を入れていく方法です。
鉤勒法では、
尖った花びらや蕾の形を
はっきり表すことができ、
力強く、絵手紙らしい仕上がりになります。
私も以前、鉤勒法で二種類の桔梗を描き、
YouTubeで描き方をご紹介しました。

YouTube動画:https://youtu.be/XKLCgPYY8Oc?si=3cqvzCF5yfORdXDY

YouTube動画:https://youtu.be/M7EEMpaqxDY?si=9h4TxRjw0Kwnab4P
慣れてきたら、形を少し崩しても
丸と点を使った方法に慣れてきたら、
花の形を少し崩したり、
色のにじみや飛沫を加えたりすると、
半抽象的な表現も楽しめます。

こちらは、花びらの形をあえて整えすぎず、
紫色の濃淡やにじみを生かして
描いた桔梗です。
初心者向けのお手本としては、
鉤勒法の描き方の方が
わかりやすいと思います。
けれど、形に慣れた後は、
少し自由に崩すことで、
自分らしい桔梗が生まれます。
「ずっと見守っているよ」
今回の絵手紙には、
「ずっと見守っているよ」という
言葉を添えました。
桔梗の代表的な花言葉は、
「変わらぬ愛」「永遠の愛」「誠実」「気品」
寄り添う二輪の花と、
これから開こうとしている蕾を見ていると、
大切な人をそっと見守る気持ちが重なります。
離れていても、言葉にしなくても、
変わらず想っている。
そんな気持ちを、桔梗の花に託しました。
下描きに頼っても大丈夫
私は、没骨法で桔梗を描こうとして、
何度も形が取れずに悩みました。
没骨法では、高度な筆の技が
求められるからです
けれど、完全な没骨法にこだわらず、
鉛筆の丸と点に少し助けてもらうことで、
ようやく自分なりの描き方を
見つけることができました。
下描きを使っても、
色を塗るときに外側の輪郭線を描かなければ、
まるで没骨法で描いたように、
柔らかな花に仕上げることができます。
難しい技法に無理に自分を合わせるのではなく、
自分が描きやすい方法を見つければいい。
皆さんも、丸と5つの点を使って、
桔梗の絵手紙を描いてみてくださいね。
桔梗とはまた違った華やかさを持つ、
バラの絵手紙にも挑戦してみませんか。
初心者にも描きやすい描き方を、
こちらの記事でご紹介しています。

