絵手紙は、
絵と文字が調和することで、
その魅力が一層引き立ちます。
ただ美しい絵を描くだけでなく、
そこに添えられた言葉が、
見る人の心を動かし、
温かな余韻を残すのです。
短い言葉でも、
その選び方や表現次第で、
励ましや癒し、
微笑みを届けることができます。
私はこれまで、
禅語や格言、花言葉などを
引用しながら、
絵手紙に言葉を添えてきました。
また、
ユーモアを交えたり、
優しい言葉に言い換えたりと、
さまざまな工夫を凝らしてきました。
今回は、
そんな「絵手紙に添える言葉」の
魅力と工夫について、
作品とともに解説していきます。
第1章:禅語や名言を添えて、自分を励ます。

禅語や格言は、
短いながらも深い意味を持ち、
時には、
人生の指針となる言葉です。
絵手紙に取り入れることで、
見る人の心に響くメッセージを
伝えることができます。
たとえば、
「大丈夫、心配ない、なんとかなる」
という言葉は、
とんちで有名な一休さんが
弟子に残した言葉です。
一休さんが
亡くなる直前に
弟子たちに一通の手紙を残します。
そして
「本当に困った時に、
この手紙を開けるように。
それまでは絶対に開けてはならない」と
言い残されたそうです。
数年後、
お寺に大変な問題が起き、
弟子たちは、
ついに一休さんが残した手紙を
開けることにしました。
そこに書いてあった言葉が、
「大丈夫 心配ない なんとかなる」
だったのです。
なんだか、
拍子抜けして、
笑ってしまいそうですね。
実際、弟子たちは、
お寺の苦難をうまく乗り越えたのだそうです。
私は、トラブルを抱えて悩んだとき、
この話を思い出し
いつも勇気をもらえます。
こんな絵手紙がお部屋に飾ってあったら、
元気がでると思いませんか?
また
「冷暖自知」(れいだんじち)
という禅語があります。
これは、
冷たいか暖かいかは
実際に自分の手で確かめないと
わからないという意味です。
いくら本を読んで
わかったつもりになっても、
実際に体験してみないと
本当のことはわからない。
自分で会得していくしかない
という意味です。
ふっと思いついて、
下の絵手紙に添えてみました。

第2章:優しい言葉で伝える温もり
禅語や格言をそのまま書くのではなく、
優しい言葉に変えて伝えるのも、
絵手紙ならではの工夫です。
例えば、「日日是好日」という禅語。
これは、「どんな日であっても、
その日を良い日として受け止める心が大切」
という意味を持ちます。
そこで、
菜の花に添えて、
「毎日見つける小さな幸せ」
という言葉にしてみました。

「和言愛語」
という禅語があります。
これは、
「優しい笑顔、優しい言葉遣いで、人に接しよう」
という教えです。
そこで、
山茶花の花や八重桜に、
次のような文章を添えてみました。


第3章:花言葉を取り入れたメッセージ
花には、
それぞれに込められた意味があります。
花言葉を活かして
メッセージを考えるのも、
絵手紙の楽しみの一つです。
つわぶきの花言葉は、
「困難に負けない」

鹿の子ゆりの花言葉は、
「慈悲深さ」

クロッカスの花言葉は、
「私を信じて」

第4章:ユーモアを交えた楽しい言葉
時には、
ユーモアを交えて言葉を添えることで、
クスッと笑える楽しい絵手紙になります。
水仙(すいせん)と推薦をかけて、
「お正月には、うちの自慢の花をすいせんします」
という言葉を添えました。

寝ている猫の絵に添えて
「朝寝て、昼寝て、夜も寝る私の師匠」

ミョウガの絵に添えて
「忘れっぽいのはみようがのせいではありません」

ユーモアを交えた言葉は、
見る人を笑顔にし、
心を和ませます。
難しく考えず、
絵の特徴を活かした一言を
添えるのがポイントです。
まとめ:言葉の力で心を伝える
絵手紙に添える言葉には、
さまざまな工夫ができます。
禅語や格言で自分を励まし
優しい言葉で温かみを伝え、
花言葉で想いを込め、
ユーモアで笑顔を届ける。
どの言葉を選ぶかで、
絵手紙の印象は大きく変わります。
大切なのは、
相手を思いながら、
心を込めて言葉を選ぶこと。
どんな短い言葉でも、
気持ちが込められていれば、
それはきっと届くはずです。
今日描く一枚に、
どんな言葉を添えますか?
あなたの言葉が、
誰かの心を温める一言に
なりますように。