寒さの厳しい季節に
凛と咲く水仙。
その清らかな姿と優雅な香りは、
冬の景色に
春の訪れを予感させる
特別な存在です。
水仙の端正な姿や清らかな色彩は、
絵を描くモチーフとしても
人気があります。
そんな水仙を美しく、
さわやかに描いてみませんか?
今回は、
水仙の描き方だけでなく、
水仙の特徴や花言葉、
お花の構造までお伝えします。
水仙の魅力を
心ゆくまで感じてみてください。
第1章:水仙とは?

水仙(すいせん)は、
ヒガンバナ科スイセン属の多年草で、
冬から早春にかけて咲く美しい花です。
学名はNarcissus(ナルキッソス)で、
ギリシャ神話のナルキッソスに
由来しています。
世界には、
数千種類の園芸品種が存在していますが、
日本で一般的に見られるのは
「ニホンスイセン」です。

「水仙」という名前の由来は、
中国から来ています。
水辺を好み、
清楚な姿と香りが
仙人のようだということで、
「水仙」という名前になったそうです。
なんと素敵な名前でしょう!
第2章:水仙の構造
お花の構造

水仙は、
6枚の花びらがあるように見えますが、
実は、内側の3枚が花弁(内花被片)、
外側の3枚は、萼片(外花被片)です。
お花の内側にある
黄色い筒状に突き出した部分は
副花冠と呼ばれ、
おしべが変化したものと言われています。

この中に、
めしべが1本、おしべが6本あります。
ぱっと見た目では、
おしべが3本しか見えず、
めしべと残りの3本のおしべは
奥の方にあってわかりにくいです。
苞とは

お花の下の方にある薄い膜は、
「苞」と呼ばれるものです。

苞は、最初、つぼみを包んでいます。

苞が破れて、中から蕾が出てきます。
実は、私、初めて水仙を描いたとき、
何故、苞がついているのかわからず、
戸惑った記憶があります。
葉っぱの形

水仙の葉っぱは、
細長く青みがかったいて、
シャープで滑らかな質感を持っています。
葉っぱの先端は、
少し丸みを帯びていますね。
また、長い葉っぱは、
途中で捻れていたり、
折れ曲がっていたりしています。
こうした特徴を描いていくと、
絵に動きがでてきて、
生き生きしてきますよ。
いかがでしたか?
水仙の構造を理解していただけましたか?
こうした水仙の構造や特徴を理解すると
自信を持って
細かい部分まで描けるはずです。
第3章:水仙の花言葉とギリシャ神話

水仙の花言葉は、
「うぬぼれ」「自己愛」で、
ギリシャ神話に由来しています。
美しい青年ナルキッソスは
自分に恋をした人々を
冷たく拒み続け、
森の妖精エコーの想いも
踏みにじります。
これを見た女神ネメシスは罰を与え、
ナルキッソスが
水面に映る自分の姿に
恋をするように仕向けます。
しかし叶わない恋に
苦しんだ彼は絶望の末に
命を落とし、
その場所から咲いた花が
水仙だと言われています。
自分に恋して、叶わないなんて、
なんとも切ないお話ですね。
私は、「水仙」の名前の由来
水辺の仙人の方のお話が好きです。
第4章:さまざまな向きのお花を写生しよう!

水仙のお花の構造が
わかっていると、
描きやすいですね。
正面向きのお花を描く場合は、
まず副花冠を真ん中に丸で描き、
その外側に内花被を3枚、
その間に外花被を3枚描き入れます。
花びらは、必ず、
お花の中心からでていることを
意識して描くと、
全体が整ってみえますよ。
副花冠の中には、
おしべを3つだけ描きます。
横向きのお花を描く場合は、
副花冠のラッパの部分で、
向きを表現し、
それに合わせて花びらを描きます。
第5章:水仙の葉っぱの描き方
水仙の葉っぱの描き方には、
二種類あります。
鉤勒法(こうろくほう)
輪郭線を描いて、着色する方法

没骨法(もっこつほう)
絵の具を直接塗って、表現する方法

どちらの描き方を使う方は、お好みです。
動きのある葉っぱを描いて、
絵を生き生きさせましょう!
下の動画を参考にしてみてください。
第5章:水仙の描き方動画
YouTubeにアップしている
4種類の水仙の描き方動画を
ご紹介します。
どれも丁寧に解説している動画なので、
わかりやすいと思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
第6章:水仙の色紙作品


終わりに
水仙は、
そのシンプルでありながら
奥深い美しさが魅力のお花です。
この記事を通して、
水仙を描く楽しみや魅力、
さらには技術を少しでも
お伝えできれば幸いです。
水仙の絵が
あなたの創作活動に
新たなインスピレーションを
与えることを願っています。