こんにちは。桂颯です。
静かに置いておけば、
そのままでいられると
思っていました。
心の奥に
しまい込んできたもの。
それは
消えたわけではなく、
ただ、
そこに在り続けていただけ
なのです。
この詩画は、
そんな想いに、
そっと光を当てたものです。
第1章 封じ込めた想い

UnsplashのGerman Krupeninが撮影した写真
深く愛した人を
失った哀しみ。
どうすることも
できない喪失感。
言葉にできないほどの苦しみ。
そうした経験をした人は、
容易には立ち直れません。
何年も何年も、
胸の奥で痛みを抱えながら
生きることになります。
だから、
生きていくために、
考えないようにする
無かったことにする
そうやって、
心の奥に封じ込めるのです。
そうしなければ、
日常を保てないほどの
痛みだからです。
けれども――
心の奥に
ただ封じ込めただけの想いは、
決して消えてはいません。
この詩のように、
ある日突然、
心の底から
吹き上げてくることがあるのです。
何かのきっかけで、
抑え込んでいた想いが
溢れ出してくるのです。
そして、
封じ込めた想いは、
心に空洞をつくり、
やがて体にまで
悪影響を及ぼすのです。
第2章 かつての私の想い

UnsplashのKevin Yudhistira Alloniが撮影した写真
私にも、
そんな哀しい思い出が
あります。
今でも口にできないほど、
痛みの激しい出来事です。
そのことに正面から
向き合うことができず、
私は何年も何年も、
心にぽっかり
穴が空いたような心持ちで
生きていました。
自分を責め続け、
「自分はどんな死に方をしても
仕方がない」
そう思い詰めるほどでした。
どんな人の慰めも、
私の心の闇の深さまでは
届きません。
だから私は、
その想いを封じ込めることで、
なんとか
日常を保っていたのです。
第3章 大勢の人の幸せのために働きなさい

UnsplashのLina Trochezが撮影した写真
「もっと強くなりたい」
「どんなことでも
受け入れられる強さが欲しい」
そう願い、
私は尊敬する恩師の法話に
通うようになりました。
恩師は、
お坊様ではありませんでしたが、
仏教の話や戦争体験のお話を
よく聞かせてくださいました。
気がつけば、
六年という月日が
流れていました。
ある日、
まるで風に誘われるように、
私はふっと、
恩師に辛い出来事を
語り始めました。
自分でも不思議なくらい、
言葉が自然に
あふれてきたのです。
それは、
恩師の温かな波動が、
私の心の闇にそっと届き、
扉を開いてくれた
かのようでした。
6年という年月を経て、
ようやく
機が熟したのかもしれません。
そのとき、恩師は
静かにこう言われたのです。
「愛する人を亡くして苦しいときは、
大勢の人の幸せのために働きなさい」
その瞬間、
私の心の闇は、
温かな光に包まれたような
気がしました。
恩師の言葉の意味を
正しく理解した
わけではありません。
理屈ではなく、
ただ恩師の温かい波動に癒され、
救われたような気がしたのです。
涙が止まりませんでした。
長い長い冬が
ようやく
終わったような気がしました。
6年の月日を要しましたが、
私の心の闇は、
すっかり埋まっていました。
第4章 詩画「想い」に込めた祈り

この絵は、
大切な息子さんを亡くし、
立ち直れずにいた
友人のことを想って
描いたものです。
私には、
友人にかける言葉が
見当たらなかったからです。
「息子さんは、
いつもそばで
見守ってくれているよ。
元気を出してね」
そう心で祈りながら、
描きました。
そして、ある日、
私は、
かつて恩師から
いただいたのと同じ言葉を、
彼女に伝えました。
数年後、友人は、
哀しみを乗り越え、
すっかり元気になられました。
愛5章 祈りへと昇華

UnsplashのElham Abdiが撮影した写真
詩「想い」は、
心の奥深くに
封じ込めてしまった悲しみが、
ふいに吹き上げる
瞬間を描いています。
そして絵は、
その想いと向き合い、
受けとめ、
やがて祈りへと
昇華していく道を
示しています。
この詩画「想い」を、
かつての私自身へ。
深い闇の中で
もがいていた、
過去の私へ。
そして今、
同じような痛みを
抱えている誰かの心へ。
どうか、
静かな祈りが
届きますように。
南無観世音。

