慈母観音を描く|大切な命の無事を願って生まれた祈りの絵

こんにちは、桂颯です。

大切な人と、
そのお腹に宿る

赤ちゃんの無事を願って描いた、
慈母観音さまがようやく完成しました。

お母さんとお腹の赤ちゃんが、
あたたかな光に包まれている。

その光景を、
慈母観音さまの姿として
描いてみたいと思ったのです。

目次

やさしい眼差しを描く

腕の中で眠る赤ちゃんに向かう、
深く静かな表情を目指しました。

雲肌麻紙を貼ったパネルに
顔彩を使い、
白衣には淡い青灰色の影を重ねています。

後ろの光背は、強く輝く金色ではなく
母子をやさしく包む光として描きました。

観音さまを描いていると、
不安でいっぱいだった心が、
少しずつ清らかに、静かになっていきます。

やさしい眼差しを描きながら、
自分の心も、
その眼差しに近づいていくような
気がしました。

描いては消した、背景の秘密

この背景には、
完成した絵からは見えない、
いくつもの絵が眠っています。

最初に描いたのは、
白い蓮の花と葉でした。

しかし、なんとなく違和感を感じ、
その上から藍や紫を重ねて消しました。

次に、さまざまな色の円を、
さまざまな大きさで、
薄い色で、
いくつも描き重ねました。

そして最後に、
もう一度、目立たない色を使い
細い線で蓮の花を描き込みました。

描いては消し、消してはまた描く。

上から色を重ねても、
下に描いたものが、
すべて消えてしまうわけではありません。

蓮や色の円、筆を迷わせた跡が、
わずかな色の揺らぎや厚みとなって
残っています。

写真では見えにくいかもしれませんが、
それらすべてが、
今の背景の深さをつくっているのだと思います。

祈りが起こした奇跡

昔、わたしが出産を控えていた頃、
妊娠九か月近くになっても、
お腹の子どもは逆子のままでした。

私は、四国の山奥に住む信心深い祖母に
電話で相談しました。

祖母は、四国八十八ヶ所巡りを
なん度もしている強者です。

祖母は、すぐに石鎚山へ
お参りに行ってくれました。


そして
「大丈夫、治ると、お坊様がおっしゃっていたよ」
と電話をくれました。

その晩のことです。
三歳の長女が
突然、けたたましい声で泣きだしたのです。

私は、心臓がどきどきするほど、
驚いて飛び起きました。

すると、お腹の中の子どもも
激しく動きだすではありませんか。

そしてなんと翌朝、
逆子は治っていたのです。

『真摯な祈りには、力が宿る』と
信じさせてくれるような
奇跡の出来事でした。

祈りは、
願いを必ずかなえる魔法だとは思いません。

それでも、祈りには、
奇跡を起こす力もあるのだと知りました。

この絵も、一筆、一筆、
祈りを込めて描きました。

どうか、母子ともに守られますように。

無事に、新しい命と出会えますように。

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この記事を書いた人

さわやか墨彩画教室の桂颯です。

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