こんにちは。桂颯です。
今回は、祈りの詩画集から
「お月様」をお届けします。
淋しいとき、
哀しいとき、
切ないとき、
ふと、
夜空に浮かぶ月を
見上げたくなるのは、
なぜでしょうか。
月は、
いつも静かに、
心に寄り添ってくれる
気がします。
何も語らないのに、
すべてを
わかってくれているような
気がします。
ただ、そこにいて、
心の痛みに、
そっと共鳴してくれている。
そんな存在のように
感じるのです。
お月様の美しさは、
どこか淋しい。
透き通るように
輝いていて、
それでいて、
どこか哀しげです。
月を見て、
物思いにふけるのは、
きっと、
私だけではないのでしょう。
第1章 昔から人々に愛されてきた月

UnsplashのFarhan Azamが撮影した写真
夜空に浮かぶ月を
見上げると、
なぜか心が静かになります。
嬉しい時も、
悲しい時も、
月は変わらずそこにあり、
私たちを見下ろしています。
月は、
東洋でも西洋でも
昔から人々に愛され、
詩や音楽、絵画の題材に
なってきました。
それは、
月がただの天体ではなく、
人の心に寄り添う存在として
感じられてきたからでは
ないでしょうか。
第2章 俳句や短歌に詠まれてきた月

UnsplashのMaciek Sulkowskiが撮影した写真
日本の古典文学には、
数えきれないほど月が
登場します。
西行は、生涯で約400首もの
月にまつわる歌を詠んだと
言われています。
特に有名な短歌を抜粋し、
意味を書いてみました。
「願わくば花の下にて春死なん
その如月の望月のころ」
できることなら、
桜の咲く花の下、
2月の満月の頃に
死にたい。
「闇晴れて心の空に澄む月は
西の山辺や近くなるらん」
煩悩の心の闇が晴れて、
心の中には澄んだ月。
西方浄土に往生するのも、
もう近いのかもしれない。
「嘆けとて 月やはものを 思はする
かこち顔なる わが涙かな」
嘆けと言って
月が物思いに
ふけらせるのだろうか、
月を見ていると、
涙があふれてくるのだ
松尾芭蕉も、
特に月への想いが強く、
多くの俳句を
詠んでいます。
「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」
美しい月が出ていたので、
池の周りを何度もめぐって、
一晩中、月見を楽しんだことだ。
昔の人たちは、
悲しみ、孤独、旅、祈り、
そうした人の内面を
映す鏡のように、
月にたとえて、
短歌や俳句を
詠んできたのかもしれません。
第3章 西洋の音楽に描かれた月

UnsplashのMaciek Sulkowskiが撮影した写真
西洋でも、
月は同じように
心の象徴でした。
ドビュッシーの
《月の光(Clair de Lune)》は、
美しく、清らかに澄んだメロディーが
心の中をさらさら流れ、
洗い流してくれるような音楽です。
ベートーヴェンの《月光ソナタ》は、
静かな祈りと孤独を
感じさせてくれます。
どちらも、私の大好きな名曲です。
これらの音楽を聴いていると、
「東洋も西洋も、
同じ心情で
月を見てきたのではないか」
そんな気さえしてきます。
国も時代も違うのに、
月を見て感じる気持ちは、
どこか共通しているのです。
第4章 月は、心に寄り添う光

UnsplashのMaciek Sulkowskiが撮影した写真
月は、
太陽のように、
私たちを強く照らす
存在ではありません。
けれど月は、
こちらの気持ちに
寄り添うように、
静かに照らしてくれます。
嬉しい時には、そっと見守り、
悲しい時には、そっとそばにいる。
月は、
「励ます光」ではなく、
「寄り添う光」なのだと思います。
静かに月を見上げていると、
遠くの方で、
そっと癒されていくような
感覚になります。
無言のまま、
会話をしているような
気持ちになるのです。
頭ではなく、言葉でもなく、
もっと深い場所で、
響き合っているように感じます。
第5章 透明な哀しさへ導いてくれる月

UnsplashのMaciek Sulkowskiが撮影した写真
月を見ていると、
ドロドロした感情が、
少しずつ薄れていきます。
怒りや不安が、
そのままではなく、
「透明な哀しさ」に
変わっていくような感覚です。
月は、
人の心を、
静かで澄んだ場所へ
連れて行ってくれる
存在なのかもしれません。
美しく、
しかし、どこか淋しい。
「美しすぎて哀しい」
そんな言葉が、
月にはよく似合います。
第6章 科学的にも、人は月の影響を受けている

UnsplashのFatih Berat Örerが撮影した写真
月が人の心に
影響を与えることは、
昔は迷信のように
考えられていました。
けれど、
月の引力が
潮の満ち引きを起こすように、
人の体や心にも、
何らかの影響を与えている
可能性は否定できません。
実際に、
・満月の夜は眠りが浅くなる
・月の周期と体調や感情の変化が似ている
と感じる人も多くいます。
科学的には
完全に解明されていなくても、
人は昔から、
月の変化と自分の心を
重ねてきました。
月は、
自然と人の心を
つなぐ存在なのです。
第7章 私の詩画「お月様」

私は、そんな月を思いながら、
「お月様」の詩画を描きました。
月は、
何も言いません。
けれど、
見つめる人の心を、
そっと映し出してくれるのです。
第8章 月は、無言で寄り添う存在
月は、
答えをくれる存在ではありません。
けれど、
一緒に黙っていてくれる存在です。
だからこそ、
人は昔から月を見上げ、
詩をつくり、
音楽を奏で、
絵を描いてきたのだと思います。
月は、いつまでも、
無言で会話できる相手なのです

